３勝クラスのマイル戦で好メンバーが揃い、９番人気の低評価であったが２着に好走した。近走で好結果を残す素質馬が多く、４歳牝馬で54キロまでの斤量しか経験のない馬で56キロと斤量面でも恩恵のないレースであったが、後方から外を回って唯一伸びてきたレース内容は十分に評価てきる。１勝クラスから連勝で３勝クラスに上り先行して結果を残してきたが、今回はスタートで後手を踏み差す形で好結果を残せた事に価値がある一戦となった。確かに先行馬が多くペースは流れたが、４コーナー大外を回して上り34.4秒なら展開利を活かしての好走とは言えない内容である。３歳時はクラシックの乗れなかったが、近走内容から成長を感じさせ、末脚を活かす戦法も身に着け脚質自在の強みを手に入れ、今後狙い続けて面白い１頭である。

距離的にもクラシックに繋がるリステッド競争ながら６頭立で行われ、重賞実績のある馬は不在だが、２勝馬が２頭存在しレース内容によってはクラシックに繋がりそうなメンバー構成ではあった。シャザーンはスタートで挟まれ最後方をポツンと追走するレースを強いられたが、４コーナー手前から各馬の仕掛けに合わせ上昇し、素晴らしいキレで突き抜けてしまった。スローペースではあったが、後半４Ｆから11秒台が続きラストは11.3-11.1-11.4秒と後方からでは厳しい流れを豪快に差し切ったインパクトは大きかった。過去２走は逃げ・先行の戦法で挑んでいたが、今回はスタートの誤算で高いポテンシャルをさらに引き立たせた一戦と言える。賞金を加算し早々とクラシック路線参戦の権利を奪取した点は大きく、ＧⅠ馬クイーンズリング初仔の良血馬がダービー馬候補に名乗りをあげたと言って良い。

４戦目の１勝クラスで高いパフォーマンスを見せ、未勝利戦からの連勝を飾った。未勝利戦での強いレース内容から断然人気に推されていたが、危なげなく圧勝し人気に応えてみせた。デビュー戦では後方から素晴らしい脚で一旦先頭に並ぶも、キレ過ぎてゴール前で脚が止まった印象があり、２戦目はスタートから折り合えず暴走気味の大逃げで敗れていたが、距離をマイルに短縮し折り合いの付けやすい中山コースで２連勝と変わり身を見せている。過去走からも高いポテンシャルの持ち主であるのは確かであるが、気性面に課題を残していた印象であった。近２走は距離短縮の効果もあるが、能力差があっての連勝と判断できる内容である。まだ気性に危うい面を残すが、相手強化となっても能力ではヒケを取らない馬で、今後に注目していきたい１頭だ。

結果的には６番人気８着ではあったが、大きな不利があっての結果で消化不良のレースとなってしまった。直線の長いコースで豪脚を発揮するタイプと思われがちだが、前走は中団追走から内を捌いて勝利していた。懸念されていた中山コースでの距離延長戦であったが、前走の経験が大きく内々を先行し手応え十分に直線を向かえた。直線は２度進路を替えるロスがあり、ラストは手綱を引っ張り切りとなる大きな不利での敗戦であった。手応えが素晴らしくコースが空いていれば突き抜けていただろう。過去小回りコースでの敗戦は重馬場であり、良馬場なら舞台設定に対応する能力は十分に感じられ、高いポテンシャルを発揮する舞台の選択肢が広がった一戦となったのは間違いない。最大目標は安田記念になるだろうが、大阪杯に参戦しても好勝負に期待できる。

10番人気の低評価ながら適距離に戻った一戦で４着に好走した。前走は初となる1200ｍ戦で２番人気に推されながら大敗を喫していたが、リフレッシュされ適距離に戻った今回は、先行決着の中後方から早めのスパートで大外を回して0.6差まで追い上げている。ラストはやや止まり気味で先団との差を詰められず、後方からの強襲にあったが掲示板を確保した内容は評価したい。前走の1200ｍ戦も12着ではあるが、0.7秒差のレースをしており、脚質的にも勝ち味に遅い点はあるが、毎回確実な末脚で１秒差以内のレースが続き、重賞でも展開が向けば馬券内に届いても良いパフォーマンスを発揮している。コースを問わず1400ｍ戦のスペシャリストのイメーシがあり、今後のオープン競争や重賞でもマークを続けていきたい馬である。