■天皇賞・秋 回顧
秋の中距離王決定戦!GⅠ天皇賞・秋が行われ、2番人気のドウデュースが勝利した!
近年は春のドバイや暮れの香港に遠征するトップホースが多く、JRA古馬GⅠレースは有力馬が分散する傾向にあるが、時期や距離的に天皇賞・秋には毎年トップホースが揃い、現役最強馬を決定する最高峰のレースとなっている。
今年は3歳トップホース・ジャスティンミラノの離脱により残念ながら3歳馬の参戦はなかったが、強力メンバーが揃う5歳勢に対し、牝馬3冠女王リバティアイランドや低レベル化を覆しつつある牡馬を含めた4歳勢が立ち向かう構図で、世代の威信を懸けた最強馬決定戦となった。
舞台となった東京競馬場は先週までの外差しが効く馬場から、内ラチ沿いをカバーしたBコースに替わり傾向の変化がポイントとなっていた。前日の芝レースではペースが遅ければ前有利ではあるが、キレ味のあるタイプなら外からの差も届く軽い馬場で内外フラットのコンディションで当日を迎えた。
上位人気は脚部不安明けの不安がありながら3冠牝馬リバティアイランドが1番人気、GⅠ3勝の実力馬ドウデュースとGⅠ初挑戦ながらルメール騎手の継続騎乗が魅力のレーベンスティールが続き、4番人気を引き離す3強ムードとなっていた。
近2年はパンサラッサとジャックドールがハイラップを刻む徹底先行型が存在したが、今年は溜め逃げタイプしかおらず候補となるノースブリッジとホウオウビスケッツはともに奥村厩舎で、尚且つ岩田親子が騎乗と逃げ争いの要素がなく、スローペースが予想されており展開が勝敗を分けるポイントになりそうな雰囲気であった。
レースは先手候補のノースブリッジがスタートで後手を踏み、左右から挟まれて後方に控える波乱からスタートする。内からベラジオオペラが位置を主張し先行するも、中枠からホウオウビスケッツが楽に先頭に立ち、シルトホルンも2番手に控え落ち着いた前半の入りとなった。
中盤も大きく緩む事はなかったが、最高峰レースにしてはペースは上がらず1000m通過が59.9秒のスローペースとなる。歴戦の古馬同士の戦いで折り合いを乱す馬もなく淡々とした流れで、リバティアイランドが3コーナーから上昇した以外は隊列に変化はなく後半の決め手勝負となった。
直線に向き逃げ込みを図るホウオウビスケッツが11.1-11.1秒と速い上がりを使い後続は追い上げに苦労したが、徐々に後続が接近し坂を上がってからの攻防は激しくなった。中団から各馬速い上がりで差を詰めたが、後方で脚を溜めていたドウデュースが大外一気の豪脚で突き抜け快勝した。
ラスト3Fのレースラップが11.1-11.1-11.5秒と速く後方からでは厳しい流れとなったが、ドウデュースの豪脚を信じていた武豊騎手は直線大外に持ち出すと軽く促してレーベンスティールを交わし、残り200mからのゴーサインで爆発的な末脚を発揮した。上り32.5秒は他馬を大きく引き離し、内に進路を取った各馬が上位を形勢したなかで、大外から1頭だけ次元の違う脚を使っていた。
GⅠ・4勝目を飾ったドウデュースは、2歳時の朝日杯FSから3歳で日本ダービーを勝ち4歳時は有馬記念を制覇しており、これで4年連続のGⅠ制覇となった。また1600m~2500mまで距離の融通性があり、今回中距離の最高峰レースを勝った事で種牡馬としての価値も大きく上昇した。
今後は順調ならジャパンカップから有馬記念と秋の古馬3冠を目指し、引退まで最大で残り2戦となったが、早い時期から活躍でき距離の融通性があり、爆発的な瞬発力を保持していることも種牡馬として人気を博しそうだ。正直馬体は短めの距離にシフトしている印象で距離延長に不安はあるが、引退までの残り2戦の走りには大注目である。
2着のタスティエーラは古馬になって以降3戦して不甲斐ない成績が続いたが、ダービーを制した東京コースに戻りこの馬らしい走りを取り戻した。持久力戦に強そうな血統で高速上りが課題となっていたが、ダービー同様に前目の位置取りから速い上がりを繰り出し好走したのは収穫となった。18キロ増やした馬体からも成長が感じられ、今後はダービー馬の反撃が始まりそうだ。
3着のホウオウビスケッツは単騎のスローペースが最大の好走要因となったが、状態面の上昇と成長力で強敵相手でもヒケを取らない走りを見せている。6月の遅生まれで完成までに時間はかかったが、中身が完成するとともにメンタルも強化されており、想像以上に力を付けていた印象であった。距離的に2000mが限界の雰囲気だが、今後GⅠ制覇のチャンスは十分にあるだろう。
1番人気に推されたリバティアイランドは絶好の手応えで直線を向かえたが、伸びを欠き13着の大敗に終わった。古馬混合の初戦ジャパンカップ2着の実績はあるがイクイノックスから0.7秒千切られ、前走のドバイシーマCも期待外れの結果に終わっており、牝馬3冠の勲章は成長力という点でやや陰りを見せている。今回は脚部不安の長期休養明けの一戦でもあり過剰人気であったのは間違いない。
GⅠ初挑戦ながら3番人気に推されたレーベンスティール も見せ場なく8着に敗れた。ルメール騎手は遅いペースでの外枠は大きな不利であったとコメントしているが、近2走の重賞制覇は相手が弱く一気の相手強化では厳しいと感じていた。中間はGⅠで戦う準備として意欲的に攻め迫力満点の動きは見せていたが、ややオーバーワークになっていた印象でパドックでも落ち着きがなかった。ポテンシャルはGⅠ級も折り合いを含めたメンタル強化が必要となりそうだ。
競馬リポートでは
・本命馬
・追い切り調教診断推奨馬
の2つを公開していたのでしっかりとこの2つのコンテンツについてレース終了後の回顧を行いたいと思います。
■推奨本命馬について
本命に推奨したベラジオオペラは見せ場は作るも6着に敗れた。
・積極的な競馬も決め手で劣った!
昨年のダービーでは33.0秒の上り最速をマークし微差の4着に善戦したが、その後の走りは34秒台中盤の上りしかマークしていない。脚質は自在で安定した末脚を武器に持続力勝負で好走を続けてきたが、殆どの馬が上がり33秒台をマークした加速力勝負では分が悪かった。
ハイペースで飛ばす逃げ馬不在の今回は、この馬の特性を熟知している横山和騎手が積極的に位置を取りに行き、3番手の内々の絶好ポジションをキープする作戦が功を奏し手応えも良く直線を向かえたが…。
直線で前を行くホウオウビスケッツを交わして早め先頭という雰囲気もあったが、鞍上は1頭分空いた最内に進路を取らず外に出す判断をしている。早めに先頭に立ち外から迫る差し馬と併せて根性を引き出すように導いたと思えたが、加速力に乏しく2番手に上がるのが精一杯となった。
結果的に最内からマテンロウスカイやジャスティンパレスが伸びて上位に入っており、あのまま最内を突いていたら際どい勝負になっていたのではないかと感じてしまう。最内枠を利した道中の追走は完璧ながら決め手で劣った印象も、0.4秒差でゴール前まで見せ場は十分に作っていた。
・完調には及ばぬ臨戦過程!
管理する上村師も認めるように夏の暑い時期に弱く復帰戦に向けて立ち上げが遅くなっていた。9月中旬から乗り込みを開始したドウデュースに比べ、この馬は本格的な追い切りは10月に入ってからで、様子を見ながら徐々にピッチを上げたものの、春との比較で活気に乏しいとコメントしていた。
最終追い切りは漸く活気が戻り前進気勢を感じさせていたが、上村師のコメントでは反応や気持ちの入り方に物足りなさが残ると万全の状態には仕上がらなかったようだ。動きは春当時と変わらず良い雰囲気に映ったが、一番近くで見ている師のコメントが結果に直結していると感じさせられた。
昨年はダービー以降の夏場は休養に充て復帰戦は12月のチャレンジCとなっていた。今年はGⅠ馬として2カ月早い最高峰レースへの参戦が本調子に戻り切っていない要因となった。距離的にベストな舞台でのGⅠは海外遠征を除くと春までなく、何とか使える状態に持ってこれた中でのレースとなったようだ。
ジャパンCや有馬記念への参戦や距離的には香港遠征も視野に入るが、万全でない状態でハイレベルレースに参戦して目一杯走った反動が心配される。GⅠ馬として来春以降も活躍が見込めるだけに無理使いは避けて欲しいと願う。
■調教診断からの推奨馬について
最終追い切り最上位評価をしたレーベンスティールは8着に敗れた。
1週前にルメール騎手を背に意欲的に追われ好時計をマークし、日曜日にもウッドで長めを追われて最終追いで再度ルメール騎手が跨って破格の時計をマークしていた。
動きは素晴らしくGⅠの強敵相手に挑戦する意味でも攻めた中間の調整となっていたが、オーバーワークやテンションが上がらないかが不安材料となっていた。確かに外枠からスローペースを追走する道中は厳しかったが、ルメール騎手による過剰人気となっていたのは確かで、メンタル面を含めまだ力が足りなかった印象を持った一戦となった。
もう1頭のS評価であったソールオリエンスも7着に敗れてしまった。
1週前は横山武騎手を背にラスト10.9秒をマークし、最終も豪快なアクションで好時計をマークしており、休み明けでも成長力を含めて好状態に仕上がった雰囲気であった。
左回りに戻って器用に立ち回ってはいたが、瞬時の加速力に乏しく馬群を割れるキレはなかった。エンジンのかかりが遅く早めのスパートが爆発力を生むだけに、直線進路を探しながらのスパートでは厳しかったようだ。
それでも0.4秒差で大きく負けなかったのは評価できる。ゴールまで脚は使っており特性を発揮できればGⅠでも十分勝負になりそうだ。成長力も十分に感じさせており今後の奮起に期待したい。
今週はGⅠシリーズは一休みとなりますが、ジャパンCや有馬記念にも繋がるGⅡ・アルゼンチン共和国杯に注目します。3歳馬の参戦はないがGⅠ出走馬や重賞好走馬が揃い古豪による持久力戦が期待されます。東京2500m戦はレース数が少なく適正が掴みづらく、ハンデ戦を加味すると非常に難しい一戦です。
今週も注目の1頭と追切診断を参考にしていただけたら幸いです。
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