★グランドライン
9月10日・中山7レース 3歳以上1勝クラス 芝1800m
春はクラシック路線を歩んだが、結果が伴わずにいた素質馬が休養明け3戦目で素晴らしい走りを見せ、豪快に差し切り勝ちを決めた。以前は先行して甘くまだ1勝と伸び悩んでいる気配であったが、脚質転換を図り前走ダートを使った効果もあってレース振りが一変していた。道中は後方で脚を溜めペースの上がった3コーナー過ぎから大外を回って追い上げ、直線では内に刺さり気味で他馬の進路を妨害していたが、ラストまでしっかり脚を使い2勝目を飾った。差し馬向きの展開となったとはいえ、長く脚を使い勝ち切ったのは大きな収穫となった。まだ成長が見込める3歳馬で、2勝クラスでも十分勝負になるであろう。
★カヨウネンカ
9月10日・中山11レース 紫苑ステークス(GⅢ) 3歳オープン 芝2000m
未勝利戦勝利後の重賞で、距離も未経験の2000mと厳しい条件であったが、差のない5着に善戦した。未勝利卒業に12戦を要していたが、毎回堅実な末脚を武器に接戦に持ち込むも惜敗続きであった。強敵相手の一戦でも後方に控え、手応え良く直線を向かえ馬群に包まれる不利があったが、ラスト外に出してからの脚は光るものがあった。ラップが上がった直線入口で進路がなかったのが痛く、スムーズに外に出せていれば際どい勝負になっていただろう。ゴールドシップ産駒であるが速い時計の馬場にも対応可能で、直線坂のあるコースで好走を続けている。相手なりに走るタイプで確勝級とは言えないが、馬場・展開を問わず凡走がなく上位争いは必至だ。
★チェーンオブラブ
9月10日・中京11レース エニフステークス(L) 3歳以上オープン ダート1400m
距離延長戦ではあったが、強烈な末脚で勝利した。今後のダート短距離界で楽しみな存在となる素晴らしい走りであった。3歳時はクラシック路線を歩んで重賞2着の実績もあり期待されたが、古馬になってからは大敗が続き3勝クラスで足踏みしていた。しかし4歳暮れにダート路線に矛先を変えてから快進撃を続けている。海外遠征でも差のないレースをし、国内ダートに限れば2勝3着2回と毎回強烈な末脚を発揮し、上位争いを繰り広げている。今開催の中京ダートコースは時計が速く、外からの差しは効かない馬場であったが、大外から他馬とは違う脚色で差し切ってしまった。距離延長の1400m戦に対応したのは大きく、今後ダート重賞での活躍を期待させる馬である。
★ダノンゴーイチ
9月11日・中山5レース 2歳新馬 芝1600m
多頭数のマイル戦であったが、余力十分に抜け出し圧勝した。好スタートから先団内で脚を溜め、抜群の手応えで道中も折り合い、馬混みを全く気にしない追走であった。3コーナーで下がってきた馬に乗りかかりそうになる不利があったが、最内からグイグイと追い上げ、直線は前を行く2頭の外に出して抜け出した。坂下で一旦抑える余裕を見せながら、先頭に立ち後続を一気に突き放してしまった。軽く促した程度でもラスト11.9-11.8-11.7秒と加速ラップでフィニッシュしており、能力が一枚抜けていた印象であった。イスラボニータ産駒らしいパワーとキレを兼ね備えた馬で、重賞メンバーに入っても遜色ないポテンシャルを持っている。馬群を捌いて勝利した経験値は大きく、2歳重賞での活躍は約束されただろう。
★シャーレイポピー
9月11日・中山11レース 京成杯オータムハンデ(GⅢ) 3歳以上オープン 芝1600m
スローペースの上り勝負で、後方から脚を余し気味で6着に敗れた。先行して結果を残してきたが、今回は内枠で外から次々に被され後方からのレースとなった。内枠で揉まれて気を遣った雰囲気の追走で、向こう正面までは行きっぷりが悪かった。馬群に包まれながら4コーナーを迎え、追い出されたがスペースがなく苦しい走りとなってしまった。経験が乏しい馬群での戦いであったが、直線は馬群の真ん中でも伸び脚を見せ、ゴール前の脚は一番であった。4コーナー先団の馬同士での決着となり、展開的にも厳しかった事を踏まえると、能力で見劣っていた印象はない。今回の経験は今後の戦いに向けて収穫となったのは確実で、重賞でも一発に期待が持てる存在だ。
★キールロワイヤル
9月11日・中京3レース 2歳未勝利 芝1400m
デビュー2戦目となった今回は、6番人気に推されたが9着に敗れている。字面では大敗の結果となるが、大きな不利があり能力を出し切れずの敗戦であった。道中は後方内々を追走し、直線でも最内に進路を選択していたが、全くスムーズに走る事が出来ていないもので悲観材料とはならない。直線で追い出されると反応し、加速して先団に接近したがスペースがなく手綱を抑えるシーンがあり、レースラップが上がったところでのロスは大きかった。着順は悪いが勝ち馬からは0.6秒差であり、ゴール前に伸び返していた点は見逃せない。次回は大きく人気を落とすだろうが、スムーズに走れれば上位争いは可能である。状態面での下降がなければ、人気薄の次回こそ狙ってみたい馬である。