３番人気２着という結果だが、チグハグなレース振りで勝利を逃した印象が強く、ポテンシャルの高さは確認できた。デビュー前の陣営のコメントでは素直で乗りやすい馬との評価であったが、スタートで大きく出遅れると前進気勢が全くなく、最後方をポツンと追走する形になる。１コーナーを迎える前にムチが入り、初のレースで気を遣っていた雰囲気であった。１・２コーナーは大外を回り、向こう正面で漸く行く気を見せ３コーナー過ぎから大外を進出する。内回りのため直線は短く早い仕掛けとなったが、直線では先に抜け出した勝ち馬を猛然と追い掛け、１馬身及ばなかったが上り３Ｆは１位を記録し長く脚を使っている。勝ち馬は内々で我慢し直線外に出す理想的な競馬であったが、この馬はスタートから直線まで大外をぶん回すロスの多い競馬であった点を踏まえると、勝ち馬を凌ぐレース内容とも言える。次走は慣れが見込め、スタートからの前進気勢は改善されるであろう。ラスト11.9-11.8-11.4秒のレースラップでも後方から唯一迫った脚は素晴らしく、普通に走れば次走は確勝級の評価で良いはずだ。

10番人気の低評価ながら３着に激走し波乱を演出した。オープン昇格後の今春４走は２桁着順３回など精彩を欠いており、ハンデ戦とはいえ人気薄は妥当であったが、今回は中間に障害練習を交え弱かった腰の強化を図り変わり身に期待が持てていた。３勝クラスを卒業した尼崎Ｓでは後方から上がり32.9秒の脚で差し切り、ポテンシャル的にはオープンで通用する下地は十分に兼ね備えていた。大敗を繰り返した近走は状態面が万全でなかった事もあるが、展開不利や内回りコース、距離が長かったなど凡走理由は見つかる。今回は腰の強化を含め長い直線コースでの2000ｍ戦で、舞台設定が整っていたのも激走した要因と言える。直線までしっかり脚を溜めて、最内から上がり最速で猛追したレース振りは見所十分であった。人気薄での好走は嵌った印象が強く、まだ信頼できる上位人気とはならないだろうが、この馬に関しては今回の走りが本来の能力と考えて問題なく、直線の長いコースなら重賞でも狙い目は十分だ。

惜しくも重賞勝利とはならなかったが、２番人気の支持に応える走りでアタマ差の２着と結果を残した。外枠となった今回はデビュー戦とは異なる後方待機策で、今後を見据えた戦法を試していた。やや促されながらの追走であったが、前に行こうとすると手綱を引っ張られスムーズな道中とは言えない走りであった。かなり大外を進み４コーナー手前からスパートを開始し、直線に向くとややキレが劣る印象で、マークしていた勝ち馬に外から前に出られてしまう。しかし残り100ｍから再加速しゴール前は勝ち馬を凌ぐ脚を見せていた。４コーナーで大外を回り、早いスパートながらラストでまた差を詰めている内容を見ると、瞬時の加速力に課題は残るが持続力は優れており、道中の走りからも短距離馬の印象は薄い。小倉２歳Ｓは短距離志向の強い早熟馬が揃い、クラシックやＧⅠ路線には乗れないタイプが多いが、この馬は馬体を14キロ増やした成長力があり、距離的にもマイルくらいが向きそうで、今後距離が延びる重賞でも好勝負に持ち込めそうだ。小倉２歳Ｓ組は軽視される傾向にあり、人気的にも妙味は十分で狙ってみて面白い馬である。

デビュー戦は勝ち馬の豪脚に屈したが、２戦目で順当に勝利し未勝利を卒業した。前走は完全に一旦抜け出す勝ちパターンであったが、直線での加速ラップを差し切ったラヴスコールに惜敗していた。今回は中１週ではあったが、横山典騎手の継続騎乗＋追い切りも跨った好材料もあり１番人気に支持されていた。スタートから促して位置を取りに行ったが、前進気勢が強くなりすぎ鞍上が手綱を引っ張り通しの追走となってしまった。およそ600ｍくらいは口を割り頭を上げながらの追走で、折り合いに苦労していた。３コーナーから漸く落ち着きを取り戻し、前を行く２頭との差は広がったが、直線に向きスパートを開始するとやや鈍い反応ながら、外に出されると一気に前を捕えゴール前は鞍上が抑える余裕も見せていた。着差は小さいが、道中の無駄な力みがありながら直線で弾けたポテンシャルは相当であると評価できる。横山典騎手がレースを覚えさせた効果も大きく、まだまだ上を目指せる馬として注目していきたい。