評判馬が圧巻のパフォーマンスで断然人気に応え初陣を飾った。９頭立ての少頭数ながら開幕週の中距離戦に好素材が揃ってはいたが、ブランド力が高く追い切りの素晴らしい動きから単勝1.2倍の断然人気に推されていた。最内枠から好スタートを決めるもじっくり構えて後方待機策を取る。1000ｍ通過が64.1秒のスローペースでも折り合いを欠くシーンは見られず、後方外目を余裕十分の追走であった。３コーナーから徐々に進出を開始し４・５番手の外まで追い上げると、直線では大外から楽な手応えで先団に並びかけ、川田騎手が軽く促しただけで機敏に反応して一気に抜け出した。ラスト２Ｆのみの勝負となったが、10.9-10.9秒と高速上りが続いたなか、ノーステッキで後続に３馬身半差を付けるキレを見せての快勝であった。高いポテンシャルと操縦性の高さを兼備し、初戦からスケールの大きさを感じさせる圧巻の走りを見せている。父・母系ともにキタサンブラックと同配合で距離や様々な馬場への対応力がありそうで、早くもクラシックの主役に成り得る馬が誕生したと感じさせる一戦であった。

海外帰りの一戦で11番人気と評価は低かったが、差のない６着に善戦し秘める爆発力は相当と評価したい。以前も次回狙える馬で紹介していた馬であるが、相変わらず暴れん坊の気性は改善されず極端なレースを強いられている。今回も中間の調整は殆ど時計を出さない内容で、海外遠征帰りの距離延長戦と課題は多くあった。スタートから鞍上がガッチリ抑えていたが頭を上げて行きたがる面を見せ、超スローペースのなかで折り合い専念の道中は、ほぼ最後方に近い位置の内々で我慢が続いていた。直線に入っても鞍上は仕掛けず進路を探りながらスパートのタイミングを計り、外から３着馬を先に行かせてから大外に出し、残り200ｍから追い出されると一気に加速して３着争いにも加わる伸びを見せた。素晴らしい加速力を引き出す残り200ｍのみの競馬ながら上り最速タイの32.5秒をマークし、ゴール前の脚は同じく上り最速タイの３着馬を大きく上回っていた。道中の折り合いや追い出しのタイミングが難しい馬ではあるが、高いポテンシャルと爆発力を持っているのは確実で、安田調教師と横山典騎手のタッグで徐々に進歩を遂げている。超個性派のこの馬が次走以降どのような走りを見せてくれるか大注目だ。

屈腱炎からの復帰２戦目で好内容の４着と復活の手応えを感じさせる走りを見せた。前走は屈腱炎で１年６カ月と長い休養明けの初戦で、脚元を考慮しながらの消極的な走りで見せ場を作れなかったが、今回は以前のような積極的な仕掛けで差のない競馬をしている。デビュー２戦目の未勝利戦で勝利を飾って以来勝ち星から遠ざかり１勝馬の身ではあるが、３歳時にはアスクワイルドモアやジャスティンパレスなど世代トップクラスと好勝負をしていた馬である。昨年１月の日経新春杯後に屈腱炎を発症し長期休養に入り、漸く前走でレースに復帰していた。今回は54キロのハンデも恵まれたが、レコード決着の高速馬場で0.3秒差に好走している。前走の消極的なレース運びから一転してスタートから前進気勢を表に出して先行した。中盤も緩まない持続的な流れを３コーナー過ぎに外目からスパートを開始し、直線残り200ｍでは先頭に立つ勢いで見せ場を十分に作っている。ラストは息切れした印象ではあるが、復活への手応えを感じさせる走りを見せた。高速馬場でのレコード決着で脚元へのダメージは気になるが、次走への調整過程に問題がなければ一歩前進に期待ができそうだ。