単勝1.1番の断然人気に応える圧勝で、期待通りのパフォーマンスを見せた。デビュー戦も1.8倍の人気に推されたが２着惜敗となり、今回は勝ちっぷりに注目が集まった一戦であった。前走で対戦し３着に退けたコラソンビートは２戦目で未勝利を卒業すると続くダリア賞も快勝し、４着であったマスクオールウィンも２戦目に勝ち上がっており、デビュー戦はハイレベル戦であったのが示されていた。今回は注目の２戦目であったが、好スタートから２番手に控え直線に向くと必死に抵抗する逃げ馬を、全くの馬なりで捕え軽く仕掛けられると一気に突き放す６馬身差の圧勝で、ゴール前100ｍは抑えてのフィニッシュであった。ラスト３Ｆは11.3-10.6-11.3秒で鞍上のゴーサインに反応すると10.6秒の超加速力を発揮している。初戦でこの馬を差したボンドガールの強さは計り知れないが、距離の融通性という点で逆転は可能である。初戦で好勝負を演じたボンドガールとチェルヴィニアはクラシックでも注目を集める存在になりそうだ。

新潟1000ｍ直線コースで注目度の高い一戦であったが、不利とされる５番枠から素晴らしい走りで快勝した。デビューから芝・ダート兼用のタイプで高いパフォーマンスを続けてはいたが、勝ち切るまでには至らず３勝クラスに留まっていたものの、ダート短距離戦の先行決着レースでも後方から唯一差し込んでくる能力は、まだまだ上を目指せる逸材と期待していた馬である。今回は前々走３着したコースで、時計の早い芝に替わり圧倒的な走りを見せている。５番枠から先行勢を行かせ徐々に外々に切れ込み、残り400ｍ地点では外ラチ沿いをキープした。先行勢の脚が止まりかける残り200ｍから一気に脚を伸ばし、後続に１馬身１／４差を付ける完勝劇であった。推定上りは32.1秒を記録し、後半600ｍを他馬より１秒以上速く走っている計算だ。短距離戦なら好走を続ける期待もあるが、母・エバーローズは新潟1000直コースを３戦３勝で適正の高さを見せており、母譲りの新潟1000直巧者としても大いに注目していきたい。

適正に乏しかった新潟コースの超瞬発力戦で、以前とは見違える走りを見せ３着に好走した。父・ディーブインパクトに母・アパパネというクラシック３冠馬配合でデビュー前から大きな注目を集めていた。しかし激しい気性と集中力が続かない気性が災いし、重賞では全く結果を残せず低迷していた。血統から将来の種牡馬入りまで期待されていたが、５歳夏にとうとう去勢処置が取られてしまう。去勢後の２戦は体調が整わず精彩を欠いたが、馬体が戻りきっちり調整ができ始めた昨年12月以降は上位争いを続けられるようになっていた。今回は速い上がりが要求されるコースでの戦いでベストな舞台とは言えなかったが、外枠から先団に加わり終始外々を回りながら際どい３着に踏ん張っている。ラストは軽量牝馬勢に一蹴されたが、外を回った馬では唯一上位争いに加わっていた。去勢効果で落ち着きが出て、追い切りでもラストに脚を使えるように変身している事を含め、今後は条件を問わず能力を発揮できそうだ。種牡馬への道は閉ざされたが現役生活はまだまだ続き、超良血馬の今後の走りに注目したい。

安定した末脚で差のないレースを続けているが、今回も目立つ伸び脚で５着に好走した。相変わらずスタートの出が悪く最後方からリズム重視の走りに専念し、直線勝負に徹したが先行馬が残る展開で５着が精一杯となった。中盤から11秒台後半のラップが続き、後方からの競馬では厳しいなかで上り最速をマークし、ゴール前の脚は目立っていた。最内枠から内々を回り４コーナでも内からスパートを開始したが、残り200ｍで進路を変更するシーンがあり、直線でややスムーズさを欠いたのが痛かった。苦手な重馬場であった前々走以外は、上り最速を繰り返しており後方一気の戦法に磨きがかかっている印象である。脚質的に展開に恵まれない事も多々あるが、嵌れば突き抜けるシーンも十分な脚力を持ち、小回りコースでもコーナーワークで加速できるタイプで、少しでも展開利があれば上位進出は可能である。人気薄でもマークしておいて面白い存在である。