オークス除外組が出走とあって、１勝クラスにしてはメンバーレベルの高い一戦であった。結果６着であったが、大外枠からスタートで後手を踏み、終始外々を回り、上りの速い展開では出番がなかった。ここ２走中山・東京で好走が続き、上りも２位以内と良い走りをしていた。追い切りの動きにも成長が見て取れ、今回も上がり最速であったが、ラスト２Ｆ目が11.1で外差しには厳しい流れでの敗戦に悲観する事はない。スタートや道中の行きっぷりにまだ課題はあるが、条件を問わず狙ってみて面白い存在である。

血統背景や生産牧場・厩舎は一流とあって、つねに人気に推されているが２勝クラスで足踏みしている。やや勝負根性に欠けるのか、着差は大きくないが、馬券内に来れていない結果が続いていた。今回はダートに戻し、先行して微差の３着に好走した。東京1600ｍにしては前傾ラップとなり、先行した各馬は１３着～１６着に沈む中、３番手追走から唯一踏ん張っていた。後方勢に有利な流れになったが、内容的には見所十分であった。本質的には芝向きと思えるので、芝への参戦を希望するが、今回の走りが出来ればダートでも問題ないだろう。５歳牝馬で繁殖入りまで時間はないが、２勝クラスは卒業できる馬なので、次回は勝利に期待したい。

３月に既走馬相手にデビューし、芝で３走した後にダートに目先を変えてきた。芝でも差のないレースは出来ていたが、今回は初ダート・初ブリンカーで変わり身を見せた。中団前目で進み、ピッチが上がった３コーナーで外々を追い上げ脚を使う悪いパターンであった。さらに直線では内に刺さり、追い辛いシーンが続いていた。６着に敗れたが、長く良い脚を使う内容は見所がある。直線で刺さり前に居た馬の後ろに入ってしまったが、ゴール前は外に出すともうひと伸びしていた。レース内容は良く、追い切りの動きにも進境が見えているので、次回は馬券内への好走を期待したい。

テーオーケインズの強さが目立ったレースであったが、この馬のレース内容も高い評価が出来る。今回は展開が向かず３着に敗れたが、ダート重賞としては超スローといってよいペースであった。メイショウハリオは距離延長という事もあって、中団の馬群でやや折り合いを欠いたが、ラスト12.3-11.6-12.3と上りだけの勝負で先行決着となったが３着に追い上げた。前走のマーチＳは大きな馬体減があったが、素晴らしいレース振りで勝利し、今回は馬体を戻しての出走であった。調整が難しかったと思われ、中間の動きは良かったが、まだまだ良化余地は十分である。差し馬であるが、小回りコースでも結果を残していて、高いポテンシャルを持っているのは違いない。５歳となったが、息の長いダート界では若い部類であり、今後に大きな期待が持てるだろう。

以前よりポテンシャルの高さは認めていたが、スタート難で後方から差を詰めるが届かないというレースを繰り返していた。今回は初ブリンカー装着で距離も延ばしてきた結果、素晴らしいスタートを切り、逃げて７馬身差の圧勝と大きな変わり身を見せた。ブリンカー効果が顕著で、追い切りの動きも良化し課題であったスタート難も解消した。距離延長も好材料となり、さらなる距離延長にも対応出来そうだ。1200・1800ｍがメインの他場でのレース選択肢も広がり、今後の見通しは明るい。まだまだ上を目指せる能力があり、追っての味もあるので、スタートさえまともならクラスが上がっても上位争いが出来る存在だ。馬体は大きいが、決してパワーだけの馬てなく、実績のある芝に戻しても面白いだろう。

過去走でも内容あるレースで、ポテンシャルの高さは証明されていたが、オークスでの４着は立派の一言である。デビューから馬体が減り続け、今回は長距離輸送もあり最終追い切りを控えたが、－４キロと馬体細化に歯止めがかからなかった。状態は万全と言えず苦戦を予感させたが、馬場の真ん中を力強く駆け抜け、ゴール前の脚は際立っていた。休み明けのチューリップ賞で桜花賞の権利を取り、桜花賞５着でオークスの権利を取っての連戦であり、この２カ月間の調整は簡単ではなかっただろう。またミッキーアイル産駒で距離的にも厳しいものがあったはずだが、予想を遥かに越える走りには驚かされた。賞金的に今後のローテも楽ではないが、馬体の成長を促し万全の状態で挑めば、重賞でも大きな期待が出来そうだ。