今回も展開が向かず２番人気４着に敗れたが、直線は素晴らしい末脚で0.3秒差まで追い上げ地力を見せた。毎回人気に推されながら直線の追い込みが届かず惜敗を続けているが、常に上り最速をマークする豪脚は見せ場十分である。今回は中団に構えた勝ち馬が36.0秒の上りで差し切ったが、最後方から大外を直線一気の豪脚で上り34.8秒を繰り出し、時計の速い馬場ではあるが他馬を１秒以上上回った。近２走は内枠が災いして直線でのコース取りが難しく６・４着に敗れ、今回は大外枠＋時計の速い馬場での展開不向きと敗因は明確だ。未勝利脱出後は東京コースのみの参戦となっているが、中山コースでも差のないレースを続けており、小回りコースで人気が落ちれば妙味が生まれる。２勝クラスでは能力上位は明らかで、次走はコースを問わず馬券内に期待したい。

体調が整わずデビューが２月と遅く、今回も３カ月の休養明けで２戦目となったが、不器用な面を見せながらポテンシャルの高さが感じられる５着であった。デビュー戦は阪神内回り2000ｍでスタートで後手を踏み、特に見所なく1.1秒差の９着に終わっていたが、今回は距離短縮戦ながら外回り替わりと、スタート難と行きっぷりの悪さを多少カバーできる舞台であった。相変わらずスタートが遅く最後方追走となり、馬群に包まれながらのコーナーワークもスムーズではなかったが、直線は進路を探しながらしっかりした伸び脚を見せ、ゴール前の脚は上位勢に優っていた。瞬時の加速力は課題も長く脚を使えるタイプで、展開次第で未勝利戦を脱出できる能力は持っていそうだ。まだ緩さが残りながら追い切りでは素晴らしい時計をマークしており、上積みが見込める次走は狙ってみて面白い存在である。

16番人気と低評価ながら見せ場十分の４着に健闘した。勝利したジャスティンカフェの末脚が光ったが、さらに後方の位置取りから上がり２位の34.4秒をマークし、２着馬に0.1秒差に詰め寄っている。６歳になるが３歳秋からは長距離戦が主戦場になっており、重賞では前走のダイヤモンドＳでの５着が最高着順で苦戦が続いていた。しかし1800ｍ～2200ｍ戦でデビューから３連勝を飾り、クラシック３冠に全て出走している好素材である。母父が欧州の重たい血統であるが中距離路線で活躍した馬で、父ディープインパトクなら中距離戦でキレを活かすレースが向いていると言える。長距離戦を歩んだ経緯はわからないが、今回一気の距離短縮戦であった1800ｍ戦で速い上がりをマークした点でも中距離戦で活躍が見込めそうだ。次走も中距離戦なら狙ってみたい馬である。

２走前のオーシャンＳで好内容の２着と波乱を演出したが、前走高松宮記念の大敗により今回も13番人気の低評価であった。近走は差のないレースと大敗を繰り返しているが、良馬場に限れば重賞でも上位争いに持ち込む戦績を残している。今回はスタートで後手を踏み、先団に取り付くために促したところ、やや折り合いを欠く追走となってしまった。しかし４コーナー手前で大外からスパートを開始すると、先行集団を飲み込みそうな脚を見せた。４コーナーで勝ち馬キミワクイーンが外に持ち出した所で外に振られ厳しくなったが、ゴールまでしっかり走り切り0.5秒差の６着なら悲観材料とはならず、1200ｍ戦で良馬場なら重賞でも上位を争える能力を見せた。好走しても人気にならない馬で、次走以降も好走条件にマッチすれば波乱を演出する可能性を秘めており、追いかけて損はない馬として注目したい。