デビューが遅れ既走馬相手の初戦となったが、未勝利戦で好結果を続ける相手に完勝し素質の高さを披露した。中距離戦を走り慣れた既走馬相手に初陣が2200ｍ戦と不利であり、今回はどこまで通用するかといった雰囲気であったが、好スタートから折り合い良く先団を追走し、道中も馬混みに自ら入るような仕草を見せるなど堂々たる追走であった。４コーナーでも手応えは楽で大外に持ち出されると反応良く加速し、展開有利に運んだ先行馬を交わすのに多少苦労はしたが、先頭に立ち内から迫る２着馬をゴール前で再び突き放す快勝であった。道中はスローの流れでラスト３Ｆの瞬発力勝負となったが、11.4-11.5-11.4秒の高速上りで１馬身1/4差を付け、ラストも加速ラップでフィニッシュしておりまだ脚は残っていた印象もある。昨年からリーディング上位に躍進している上村厩舎でじっくり成長に合わせて乗り込まれ、欠点のないレースぶりで初陣を制した走りは見事であった。まだ成長が見込め今後どのような活躍を見せるか楽しみな存在だ。

４着に敗れてしまったが、強引なレース運びにも関わらず見せ場十分の走りを見せた。外枠14番からのスタートで序盤はじっくりと後方に待機する。序盤からペースが上がらず中盤はさらに緩んだ流れで、結果的に先行した２着馬と内ピッタリを強襲した１着馬に有利に働いたが、後方から３コーナーの坂の上りで一気に仕掛け、４コーナーでは大外から先頭集団に取り付き、一旦先頭に立つシーンがあった。結果的にはラスト３Ｆ11.2-11.3-11.3秒と高速上りとなり、ラスト１Ｆで後退してしまったが、ラップが速くなった残り800ｍから一気に脚を使った戦法が強引過ぎた印象である。しかし先団が速いラップを刻んだ勝負所で大外をぶん回して差を詰めた脚力は見せ場十分の内容であった。デビュー戦は２番手から抜け出す快勝も、スタートにムラがあることで勝負どころから一気に脚を使ってしまう強引なレース運びが続いている。しかしポテンシャルは高いものを持っており、重賞でも十分勝負になる力を持っている。ダービー出走は叶わなかったが今後の重賞路線で注目したい馬である。

世代マイル路線の強豪が集い７着に敗れたが、直線での不利が大きく惜しいレースとなってしまった。マイル戦に矛先を替えてから強烈な差し脚で２連勝を飾りＧⅠの大舞台に挑んだ。今回はホープフルＳ10着以来の関東遠征に加え、初の左回りでレース間隔も短く能力を発揮できるかがポイントとなっていたが、当日は落ち着いた雰囲気で馬体重も４キロ増やし遠征競馬の不安は解消されていたと思える。レースではスタートから後方でじっくりと脚を溜め、４コーナーから徐々に外に出し直線を向かえたが、前が壁になり外にも馬が張り付いており追い出しが遅れてしまう。漸く外に出して一気にスパートを開始したが、前を走るゴンバデカーブースが外に寄れて鞍上が手綱を引っ張るロスがあった。自身も初の左回りで内に刺さり気味になっており、近２走で魅せた豪脚は発揮できなかった。それでも高速上りのなか差は詰め大きく負けていないのは評価できるものである。今回は力を発揮できずに２強に差を付けられたが、世代トップクラスのマイラーとして注目していきたい。