１番人気に推されながら２着惜敗となったが、ポテンシャルの高さを再認識させるパフォーマンスであった。キャリア４戦で２勝を上げ敗れたレースでも好内容での惜敗となっていた。デビュー３戦はスピードの違いで逃げ・先行で２勝２着１回と成績を残したが、前走は大きく出遅れ最後方からの競馬となった。しかし上り最速の32.7秒をマークし、0.3秒差の４着まで追い上げている。過去４走は上り１位が２回、２位が２回と先行しても速い上がりをマークできる馬である。今回はスタートから抑えて差すレースに徹したが、向こう正面で行きたがり鞍上が引っ張るシーンがあった。４コーナーでは大外から素晴らしい手応えで直線に向き一気に先頭に立ったが、内で脚を溜めていた素質馬バースクライにゴール前で交わされてしまう。３カ月ぶりの実戦ながら中間の追い切り本数が少なく満足な時計も出していなかったが、好パフォーマンスでの0.1秒差２着なら力を示したと言える。差すレースが板に付いてきた印象で、1200ｍ戦なら崩れる事はなさそうだ。２勝クラスでは力が抜けている存在で、状態面の上積みが期待できる次走は確勝級の評価で問題ない。

８頭立てと少頭数でのメイクデビュー戦であったが、追い切りで遅れる事が多く６番人気の低評価であった。全体時計が遅くレースレベルは高く評価できないが、ロスの多い競馬での0.5差３着なら好内容と言える。最内枠からのスタートで後手を踏み、さらに躓くような仕草を見せ最後方に置かれてしまう。ペースが緩んだ事で先団に取り付き易い事もあったが、差のない位置まで追い上げ３コーナーからペースが上がるなかで、軽く促されると大外をグングン加速し、４コーナーでは３頭並んだ先頭集団の大外を膨れながら並びかけた。ラスト３Ｆが11.9-11.5-11.6秒と速くなり、大外から追い上げたこの馬にはロスの大きい競馬となり、残り200ｍで前２頭と同じ脚色になり３着までであったが、４着には７馬身差を付けている。４コーナー手前で追い上げた脚を直線に残しておけばと思わせる内容で、仕掛けられての瞬時の加速力には素晴らしいものがあった。次走は東京競馬場に舞台が替わりそうで、広いコースで直線が長くなれば加速力が大きな武器になりそうだ。２戦目での勝ち上がりに期待したい。

重賞実績で劣りＧⅠ好走組に混じっての戦いで７番人気の低評価であったが、0.2秒差の３着に健闘し力を示した。キャリア10戦で４勝２着３回３着２回、唯一の着外も初重賞挑戦であった前走の目黒記念と底を見せていない馬である。今回は休み明けでの相手強化で楽な戦いではなかったが、見所十分のレース振りで互角の勝負をしたと言える。スタートから中団内々で脚を溜めていたが、向こう正面では前の馬が下がり気味で後退するシーンがあった。３コーナー過ぎに漸く前が空き、促されると好反応で差を詰め４コーナーは素晴らしい手応えで直線を向かえる。しかし進路が塞がり気味でスムーズに追い出す事が出来ず苦労していた。ゴール寸前まで狭い所に入っていたが、ゴール前は２着のタイトルホルダーに迫る脚を見せ、脚を余した印象でスムーズなレースが出来ていれば勝機もあっただろう。これでオープン昇格後３戦で全て上り最速をマークし、タイム差も0.2秒以内の接戦を演じている。先行脚質から差しに脚質転換し馬場やコースを問わず素晴らしいパフォーマンスを続けており、重賞初制覇は時間の問題である。

10番人気と評価は低かったが、確実な成長を見せ２着に好走し菊花賞出走権を獲得した。春は４月に２勝目を上げ青葉賞に挑戦したが、勝ちに行く競馬で６着とダービー出走には至らなかったが、１月の京成杯では皐月賞馬ソールオリエンスと差のないレースをしており、確かなポテンシャルは持っていた。２歳時は直線でのキレに課題が残り上りのかかるレースで強さを見せるイメージであったが、３歳春からは高速上りにも対応し成長を感じさせ、今回の高速馬場での好走は大きな収穫となった。先行集団の内々で我慢させ直線は逃げるファントムシーフに襲い掛かり一旦先頭に立ち押し切るかと思われたが、ラストは勝ち馬のキレに屈したものの自身も上がり33.4秒をマークしている。以前から完歩の大きなダイナミックな走りは魅力であったが、不器用さが解消されて完成の域に近付いている印象である。小回り2600ｍの持続力戦での勝利もあり、菊花賞でも穴馬として狙ってみて面白いだろう。