2000ｍのメイクデビュー戦に17頭が揃い、クラシックも視野に入れた距離に好素材が多数出走していた。追い切りで好内容を示していたが大外枠が嫌われたか５番人気に甘んじるも、ポテンシャルの高さを感じさせる走りで圧勝している。スタートでやや外に寄れながらも馬なりで中団を確保する。１・２コーナーは大外を回っていたが鞍上の手は動かず折り合いもバッチリ付いていた。向こう正面で後方から動いた馬に外から被されたが、全く動じる気配はなく余裕ある追走で３コーナーを向かえる。各馬スパート態勢に入るなか鞍上は外に出し４コーナー手前からスパートを開始した。コーナーでのスピードの乗りが良く先団との差を詰めると、直線は大外から一気に伸びて２着以降に３馬身半差を付けての圧勝劇であった。ラストが11.8-11.4-11.4秒と速かったが、４コーナーで大外を回り残り200ｍは流す程度で突き抜けたパフォーマンスは素晴らしかった。着差の付きにくいラスト２Ｆが速い決着での３馬身半差は絶対能力の差と言える。デビュー戦ながらドッシリとした道中とキレ味鋭い差し脚はクラシックを目指せる逸材と評価したい。次走は重賞挑戦が濃厚で相手強化となるが、まだ余裕ある走りから上位争いが十分に期待できる。

距離的にメンバーレベルは高くなかったが、ロスある競馬でも勝ち馬にハナ差まで迫る惜敗で高いポテンシャルを見せている。１番人気はトロピカルティーの弟ワースに譲り、レースでもハナ差及ばなかったが４コーナーでのロスが大きく敗れたもので、パフォーマンス的には勝ち馬を上回っていた。スタートでやや後手を踏み後方待機となったが、前進気勢がありながら折り合い良く外々を追走する。３コーナー過ぎから大外を回りながら徐々に進出し抜群の手応えで４コーナーに入るが、前を走っていた馬が外に出したために大外に振られる大きなロスが生じてしまった。スパートを開始した直線でも内の馬が外に寄れて追い辛くなるシーンがあり、先に抜け出した勝ち馬を捕えるまでには至らなかったが、上り３Ｆで唯一34秒台をマークしたレース内容は上々であった。まだカイ食いが細く幼い馬体ではあるが、デビュー戦としては好レースを見せたと言える。レイデオロ産駒で母はオークス馬ダイワエルシエーロと良血も、父は牝馬の勝ち上がり率が低く、母は活躍馬を輩出しておらず将来性は微妙も、ダイワエルシエーロのラストクロップがどこまで上昇していけるか注目していきたい。

全てが噛み合った勝ち馬にクビ差及ばず２着に惜敗したが、漸く本格化したと感じさせる走りで見せ場を十分に作っていた。ＧⅢでは素晴らしいパフォーマンスで強さを発揮するが、ＧⅠでは期待を裏切る結果が続いていた。確かにＧⅠ挑戦した２戦はともに不得手の左回りで、今回右回りに替わった事が好走要因ともなるが、前走のセントウルＳの勝ちっぷりから見てもメンタル強化は確実で、今回の内容ある２着からも本領発揮してきたと感じさせている。前走は左回りでコーナー外に張っていたが、直線での豪脚は印象的であった。今回は激走後の中２週で２番枠から捌ける走りが出来るかが課題となっていたが、好スタートから中団最内で脚を溜め包まれていても動じない追走を見せていた。４コーナーでも外に他馬が張り付き外に出せるチャンスがなく、先団との差が大きくなっており厳しいと思われたが、直線に向いて最内からスパートを開始するとグイグイと伸びて勝ち馬に迫っている。これまでは外枠からスムーズに外を回って末脚を伸ばす好走が目立っていたが、今回のレース内容なら馬群に入っていっても問題なさそうだ。左回りの内枠時にやや不安は残るが、菅原明騎手とのコンビはマッチしており、来春の高松宮記念や来秋のスプリンターズＳ、香港遠征でもＧⅠ初制覇のチャンスは十分にありそうだ。