マイル戦のメイクデビューに16頭が揃った一戦で、ロスが大きく上位２頭には離されたが４着に好走した。五分のスタートを切ったが５番枠で終始馬群に包まれ、外から被されるシーンが多かった。デビュー戦で道中の揉まれ通しは厳しく、４コーナー手前でも進路に苦しみ先頭集団から離されていたが、直線は良く伸びゴール前の脚は際立ち、ラスト11.5-11.9秒のレースラップで一気に差を詰めていた。厳しい道中ながら脚を伸ばした経験は次走以降に活きるだろう。血統的には地味で重たい馬場が向いた印象もあるが、次回も時計のかかる中山コースなら面白い存在になる。

１番人気に応え圧勝しダートマイル界に楽しみな存在が出現した。590キロを超える大きな馬体ながらスタートセンス良く先手を奪い、前半ハイラップを刻みながら直線でも加速できる走りっぷりは見事であった。今回の勝利でダート1400ｍ戦では５戦４勝２着１回とほぼパーフェクトな成績となった。重たい良馬場からスピードが要求される重馬場までパフォーマンスを落とす事なく躍進中である。またデビュー戦では芝で後方から上がり最速で２着した事もあり、能力の絶対値が高いのは確かである。ダイワメジャー産駒で距離延長戦には不安があるが、馬場を問わずオープンでも好勝負が可能な能力の持ち主である。次回根岸ステークスなどの1400ｍ戦に参戦してくれば狙ってみたい馬だ。

デビュー２連勝で挑んだ重賞であったが６着と結果を残せなかった。過去２走は1600ｍ戦で強さを発揮していたが、やはり距離延長の2000ｍでは厳しい戦いとなってしまった。スタートからグラニットが作る淀みないペースを２番手で追走していたが、外枠という事もあり終始折り合いを欠きながらの道中であった。４コーナーでの手応えが良く圧勝しそうな雰囲気もあったが、道中で脚が溜まらなかった影響が大きく坂を上がってから失速してしまった。過去２走は東京コースで上りの速い競馬で連勝していたが、今回は距離延長でペースも緩まなかった中で折り合いを欠いた事が敗因だろう。追い切りでも速い時計が出る馬で距離に限界はありそうだが、マイル戦では逃げ・差し自在なレース振りを見せており、次回距離短縮＋東京コースなら変わる余地は十分である。

2000ｍのデビュー戦で鮮やかに差し切り、６番人気の評価を覆す圧勝を決めた。まだ成長途上の印象で追い切りでも幼さを見せ、乗り込み十分ながら上位人気には至っていなかった。レースは緩い流れで進み道中は手応え楽に中団を追走していた。４コーナーで大外に振られ直線でも他馬が外に寄れ、進路を修正しながらのスパートであったが、ラスト３Ｆで他馬を１秒近く上回る34.4秒で突き抜けた。重たい馬場ながらレースラップのラスト３Ｆが11.6-11.6-11.9秒と速く、中団から楽に差し切った内容は素晴らしいものであった。ゴール前でもまだ余裕が感じられ、迫力十分の走りからクラスが上がっても十分通用するポテンシャルを秘めている。距離や馬場にも対応力がありそうで、成長次第ではクラシック路線でも楽しめそうな逸材である。

ハンデに恵まれた印象で最終的には１番人気に推されたが、５着に敗れてしまった。敗因は馬場に尽きると言って良いだろう。道中は馬群の真ん中で我慢させ、手応え良く進んでいたが、ノメるシーンが目立ち４コーナーではバランスを崩していた。直線でもこの馬本来の伸び脚が見られず、上位争いには加われなかった。しかし勝ち馬とは0.4秒差で大きく負けたわけではない。AJCCとの両睨みであった調整過程もやや不安が残り、絶好調とは言えない状態でもあった。伊藤工騎手との重賞初制覇はお預けとなったが、今後も中距離重賞でチャンスは大いにあるだろう。脚質から上位人気では絶対的な信頼はないが、次回人気が落ちれば狙ってみたい１頭だ。