未勝利馬の身での桜花賞トライアル参戦は無謀な挑戦と思われたが、差のない５着に好走しポテンシャルの高さを感じさせた。12月デビューから新馬・未勝利戦で２着と勝ちあぐね今回が３戦目となったが、素質馬揃いの一戦で0.1秒差は大善戦と言える。スタートから手応え楽に２番手を追走し、直線では挟まれて一旦下がりながら、外に持ち出すと再び加速して差を詰め上位に迫ったが、ゴール前で鞍上が手綱を引くシーンがあった。後半勝負のペースで先行馬に恵まれた面はあるが、ラストまでしっかりした走りで好パフォーマンスを見せたと言える。やや瞬時の反応に課題は残り勝ち味に遅そうなイメージはあるが、まだ未勝利戦の出走も可能で能力は断然の評価ができる。また３歳１勝クラスやオープン、重賞は出走登録数が少なく未勝利馬でも出走のチャンスは大きい。ハイレベルな今回より相手弱化は確かで、クラス次第で断然人気は間違いないが確勝級の評価で良い馬だ。

デビュー以来ダートを使い1200ｍ戦では崩れる事なく２勝をマークしていた。今回は脚元が固まったとの判断で芝初挑戦となったが、大外から素晴らしい脚で３着となり、芝適正の高さを証明した一戦となった。４歳馬が多く、近走で差のないレースを続ている馬も存在し、メンバーレベルも低くない中で上り最速をマークしている点も評価できる。ダート戦でもパワーで押すレースではなく、直線でのキレを身上としていて常に上り上位をマークしていた馬で、芝でさらにキレを活かせた結果と言える。追い切りでも奇麗な加速ラップを踏んでおり、1200ｍ戦なら常時好走の期待ができる。脚元はまだ万全ではなさそうだが、続けて芝に使ってくれば絶好の狙い目と判断したい。

近走強敵相手に好走を続け、１番人気に推された今回は好内容で人気に応え完勝した。スタートでやや後手を踏み少し促されると、距離延長でもありやや折り合いを欠いた追走となっていた。馬群の後ろで我慢させ４コーナー手前から外に出してスパートを開始すると、ラップの上がった地点で一気に先団を捕え差し切った。ラスト３Ｆが11.5-11.3-11.9秒と瞬発力戦であったが、この馬が抜け出した残り２Ｆ目が11.3秒と最速で、他馬を圧倒するキレで先頭に立った点は評価できる。折り合いをやや欠き坂を上がってからラップを落としているが、許容範囲内のものである。２勝クラス卒業まで１年弱時間はかかったが、惜敗を続けた相手は３勝クラスやオープンでも好結果を残しており、クラスが上がっても好勝負は可能である。格上げ初戦で人気の盲点になりそうな次走が絶好の狙い目となりそうだ。

皐月賞の最大トライアルとしては、ラップ構成を含め時計的にもややレースレベルは物足りないが、近走の大敗から大きな上積みで５着に好走した。スタートで後手を踏み道中は最内を馬なり追走していたが、ペースが上がった所でやや置かれ４コーナーでは最後方まで下がってしまった。直線もスペースが狭くスムーズに追えなかったが、坂を上がってからエンジンがかかると、混戦のなかをグイッとひと伸びし、ゴール前の脚は目立っていた。やや瞬時の加速力で劣る面があり、早仕掛けで好走した上位馬には及ばなかったが、ポテンシャルでは大差ないと感じさせる走りであった。追い切りの動きも成長を感じさせるものがあり、この一戦をきっかけに上昇気配が漂っている。弥生賞５着という結果だけで人気になる可能性もあるが、パフォーマンス的にはもっと上の評価もでき次走は馬券内の期待をしたい１頭である。

ＪＲＡ再転入後は常に小差のレースを続けているが、毎回人気にならない馬である。今回も７番人気と低評価ながら３着とはアタマ差の４着に好走した。後半３Ｆが減速ラップで後方待機組に有利に働いだが、唯一先行して粘った点は評価したい。1200ｍ～1600ｍ戦では常に自分の時計で走れるタイプで、近７走で馬券内は１回のみだが、コースを問わず0.7秒差以内の勝負を続けている。決め手で劣る面はあるが、馬場や展開に多少でも恵まれれば馬券内の期待ができる。血統面やキレない走りからは重たい馬場でさらにパフォーマンスを上げる可能性があり、適正舞台となればＪＲＡ初勝利も可能だ。人気面で妙味のある馬で常にマークしていて損はないだろう。