強力な３歳馬を相手に11番人気の低評価であったが、５着に好走し今後に期待の持てる走りを見せた。相変わらずスタートが安定せずにやや後手を踏んで後方追走となり、多頭数の馬群に包まれ通しであったが、先行勢が残る展開でも直線差を詰め上位争いにまで持ち込んでいる。今回は1400ｍからの距離短縮戦であったが、道中の行きっぷりは良くやはり1200ｍ戦がベストと思える内容であった。右回りで結果が出ず左回りに良績が集中しており、左回りの芝1200ｍでは６戦して２勝を上げ全て５着以内と安定した走りを見せている。今回はダイワメジャー産駒の距離短縮とハンデが軽くなった事が好走要因となっているが、先行した３歳勢が上位を独占したなかで唯一後方から上がり33.6秒の末脚を伸ばした内容は評価したい。適条件で相手関係や展開が噛み合えばさらに前進できるポテンシャルを持っている。２勝クラスなら十分勝ち負け可能で次走以降も適条件出走なら狙ってみたい馬である。

重賞初挑戦ではあったが長期休養明けを叩かれ、素質馬が好内容の５着に好走し今後の走りに期待を抱かせた。絶対的に内・前有利の馬場コンディションで先行勢が上位を独占し、馬群を割って勝利したレーベンスティールの強さは目立ったが、４コーナーで大外を回りながら0.4秒差まで差を詰めた末脚は見所十分であった。元々はデビュー３戦目から３連勝を飾り僅か５戦のキャリアで３勝クラスまで昇格した素質馬である。その後は３勝クラス卒業まで４戦を要したが、現在重賞でも活躍するオープン馬と接戦は演じていた。オープン昇格直後に脚部不安から２年２カ月に及ぶ長期離脱となり、前走の関越Ｓで漸く復帰を果たしている。久しぶりの実戦となった関越Ｓでも新潟記念２着のセレシオンと差のない４着に善戦し、今回は復帰２戦目での重賞初挑戦となっていた。脚元の不安は付きまとうが、中間の追い切りでは十分負荷を掛けられるようになっており、今後は更なる上昇にも期待できそうだ。中山・東京コースで好走歴があり舞台は問わないタイプで、引き続き脚元に不安を感じさせない調整がされていれば重賞でも好勝負に期待できそうだ。

展開に恵まれなかったが以前とは異なる走りで３着に好走し収穫のある一戦となった。３戦目のホープフルＳで３番人気に推され、人気先行型の印象ではあったが、青葉賞が好内容の２着で高いポテンシャルを再確認させられた馬である。続くダービーは権利獲り後の一戦で余力がなく、大外枠の不利も重なって大敗を喫したが、今回は前哨戦仕上げながら以前の大味なレース振りを覆す器用な立ち回りを見せ収穫の多い一戦であった。好走時は素晴らしいポテンシャルを発揮するものの、折り合い難がネックとなっており、気性面を考慮し大外を回して広いスペースに出す走りが続いていたが、今回は内々の馬群でしっかりと折り合い直線も馬群を捌いて差し脚を伸ばしている。逃げたメイショウタバルと４コーナーで２番手に上昇していたジューンテイクに２馬身離されたが、直線はしぶとく伸びて４着以降に１馬身半差を付け、ゴール前は２着馬を凌ぐ勢いも見せていた。本番は更なる距離延長で折り合いに不安は残すが、今回のように内に入れて脚を溜められれば好勝負に持ち込めて不思議ではない。枠順や展開はポイントになるが、スタミナは豊富で噛み合えばラスト１冠でのリベンジも十分に可能だ。