母・シンハライトの評判馬セイロンジェムスが完勝したが、９番人気ながら５着に健闘したこの馬を取り上げる。１着～４着を先行勢が独占する結果であったが、後方から唯一鋭い脚を見せ３着馬とは0.2秒差まで追い上げている。スタートで後手を踏み後方３番手と苦しい位置取りで、３・４コーナーは大外を回っていたが、内・先行有利の馬場コンディションを考えると厳しい立ち回りであった。直線大外からスパートを開始するも内に刺さり通しで、実質ラスト200ｍだけの競馬となった。レースの上りが11.5-10.9-11.1秒で後方から大外を回って差を詰めたのは高いポテンシャルがあってこそである。血統的に父・アニマルキングダムでダート馬というイメージであるが、上り33.4秒をマークしゴール前は１番の脚色であったのは芝適正を感じさせる。発馬に課題は残っているが使われての上積みが見込め、相手次第では好勝負に持ち込めそうだ。人気薄は確実なだけに高配当に期待して狙ってみたい。

単勝1.6倍の断然人気に応える走りで未勝利を卒業した。デビューから３戦は善戦するも人気に応える事ができず惜敗が続いていたが、２カ月半の休養を経て＋14キロと成長した姿を見せ、中間の追い切りでも好時計を連発と漸く能力に馬体が伴ってきた雰囲気であった。レースでは淀みない流れを手応え十分に３番手で運び、馬群に包まれていたが怯むことなく我慢の走りをしていた。直線は前が壁になり、後続の追い上げ急で一旦外から完全に前に出られてしまったが、進路が開くと外に出し残り200ｍから一気の脚でアッサリ先頭ゴールを決めた。ラスト３Ｆは11.7-11.5-11.5秒と速かったが、瞬時の加速力で２馬身半突き抜けた事から11.0秒程の脚を使っていたと考えられる。血統的にもハービンジャー×キングカメハメハで距離の対応力や成長力も見込め、クラシック路線に乗って欲しい逸材である。次走は無難に１勝クラスか重賞挑戦となるが、互角以上の勝負ができるだろう。ルメール騎手の継続騎乗なら確勝級と評価する。

６番人気５着と今一歩の結果ではあったが、重賞でも通用する走りは十分に見せた。デビューから掲示板を外したのは２回のみで、ともに2000ｍ以上のレースで折り合いに苦労しての敗戦である。1600～1800ｍ戦は13戦して４着が１回あるが12回の３着内を誇っている。今回は５着ではあったが終始外々を回るロスがあってのもので、直線大外から唯一先団に迫ったレースぶりは評価できる。坂上から末脚が鈍ったものの、先団を捕えそうな勢いで差してきた脚は見所十分で、上位４頭が全て内々を回った馬という点からも互角以上のパフォーマンスであった。以前はかかり気味に先行していた馬が、デビュー２戦目から手綱を取る横山典騎手の教育効果でラストに脚を使えるようになっている。明け５歳となった今が充実期の雰囲気にあり、マイル重賞で活躍に期待できそうだ。今後も松永幹調教師×横山典騎手の同期生タッグに注目していきたい。

デビュー戦の内容から次走狙える馬で取り上げたビザンチンドリームがゴール前の豪脚で勝利を飾ったが、６番人気ながら４着に好走したこの馬を取り上げる。デビュー２戦目で未勝利を脱出し、直後に挑戦したＧⅠホープフルＳは８着に敗れたものの初の関東遠征や距離延長にも対応し0.8秒差に善戦していた。今回は距離短縮戦で未勝利勝ちした京都1800ｍコースに替わる点からも注目していたが、大接戦のゴール前でタイム差なしの４着に屈してしまった。スタートから後方待機策を取っていたが、ペースが緩くやや前進気勢の強い走りで行きたがっている追走であった。４コーナーから大外を進出し、鞍上のゴーサインに即座に反応し一旦は突き抜ける勢いで先頭に立つシーンがあった。11.0秒と速いラップで先頭に立った瞬発力は素晴らしく、前半行きたがった分と一気に脚を使った事でラストは決め手を欠いたようだ。中間の動きからも成長が見え、今後も重賞戦線で上位争いに期待できそうだ。