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★ゼーゼマン
11月25日・東京5レース 2歳新馬 芝1600m
フルゲート18頭が揃った東京・マイル戦のメイクデビューで、4番人気ながら素晴らしいパフォーマンスを見せ初陣を飾った。坂路中心の調整で時計自体も目立つものはなく、繊細なタイプでハミ受けが難しい面を残している現状で苦戦も予測された。しかし最終追い切りではマーカンド騎手が跨り感触を掴んでいたようで、レースでは後方から素晴らしいキレを発揮して一気の差し切りを決めている。5番枠からスタートで後手を踏み向こう正面では終始最内で折り合いの重視の走りであったが、手応えは良く馬群に怯むことなく追走していた。直線に向きスパートを開始するが、外から寄られる不利を受け前にも壁が出来て厳しい戦いとなる。しかし残り200mから大外に持ち出させると、マーカンド騎手のアクションに応え一気に前団を捕えてしまった。ラスト3Fが11.6-11.3-11.2秒と加速ラップでの決着となったが、不利を受けながらラスト1Fで10秒台の脚を使ったと思える鬼脚は見事であった。まだ課題を残していた調整内容ながら好内容を示した初戦から、次走での上積みは大きそうで重賞でも好勝負に期待できる器として注目したい。
★キープカルム
11月25日・京都11レース 京都2歳ステークス(GⅢ) 2歳オープン 芝2000m
2歳中距離重賞として重要度が増しつつあり、今年も14頭が参戦し好メンバーでの戦いなった。凱旋門賞馬ソットサスの弟として注目されていたシンエンペラーの勝利パフォーマンスは光っていたが、8番人気ながら5着に善戦したこの馬を取り上げたい。デビュー2戦は先行して上り上位の脚を使う安定感で、2・1着と重賞に駒を進めた。デビュー戦で敗れたジャンタルマンタルは次走デイリー杯2歳Sを制しており、相手強化の一戦でも好勝負の期待を持っていた。今回はスタートからじっくり構え前2走とは変わって中団待機策を取っていた。好スタートから最内を確保し手応え良く追走していたが、3コーナーからの仕掛け所で前の馬に詰まり馬順を下げてしまったのが大きなロスとなった。直線に向いてもスムーズな進路取りが出来ず、漸く残り200mで内の馬群を縫ってスパートを開始した。突き抜けそうな雰囲気で伸びてきたが、結果的に馬場が比較的良い外を回った馬同士の決着となり、5着止まりといった印象であった。しかし勝ち馬とは0.1秒差でコース取りの差が大きかったと思わせる内容だ。中盤12.8秒の区間が1Fあったが、それ以外は11秒台後半~12秒台前半で推移しておりレースレベルも高かった。今後の重賞でも高配当を演出する穴馬として注目したい。
★スターズオンアース
11月26日・東京12レース ジャパンカップ(GⅠ) 3歳以上オープン 芝2400m
イクイノックスが圧倒的な走りを見せ、実績上位馬も力をフルに発揮した戦いであったが、多くの不安材料を払拭し素晴らしいパフォーマンスを見せたこの馬を取り上げる。過去10走で3着以内を外していないが、骨折や繋靭帯炎での長期休養や騎手の乗り替わりにも不屈の精神力で好走を続けていた。今回も前走の天皇賞(秋)を回避しての仕上げ直しで、馬体重も+12キロと決して万全の状態とは言えないなかでの大舞台となってしまう。さらに東京2400mコースでは大きな不利である17番枠となり試練の大きな一戦であったと言える。スタートから果敢に先団を狙って飛び出し4番手を奪ったが、内に入れることができずにリバティアイランドの外を併走する形となる。コーナーでの距離ロスで直線に向いた所で内からリバティアイランドに2馬身前に出られてしまうが、ラストまで必死に食らい付きゴール前は1馬身差まで詰め寄っていた。結果的に有力馬が揃っていたとはいえ5着内馬は5番枠以内を4頭が独占し、17番枠からのスタートは大きな不利であったのは確かである。今回も不屈の精神力で3着に好走し、デビュー11戦連続で馬券内をキープする好走となった。馬場・距離・展開を問わず崩れない走りと精神力で今後の重賞でも好勝負は間違いない。有馬記念参戦に期待しながら動向に注目したい。
★エイシンスポッター
11月26日・京都12レース 京阪杯(GⅢ) 3歳以上オープン 芝1200m
6番人気3着と結果を残し強烈な末脚が光った一戦となった。デビュー5戦目から1200m戦を使い始め、以後オープン特別まで素晴らしい末脚で好結果を続け重賞戦線にまで上ってきたが、近3走の重賞では直線差を詰めるが掲示板には届かない結果が続いていた。しかしCBC賞とセントウルSはスピード特化型馬場で逃げ馬が勝利しており、直線一気タイプのこの馬にはマッチしなかった。前走のスプリンターズSは差しが効かず先行断然有利の馬場で、差し馬は壊滅状態であったことからも11着惨敗は止むを得ないものであった。今回は馬場コンディション的に好転した事が好走に繋がっているが、4コーナー馬群に突っ込みながら上り32.2秒を叩き出す強烈な脚で3着に突っ込んだパフォーマンスは評価でき、全体時計が速くても前が止まる馬場になれば重賞でも上位争いできる事を証明している。大目標となる高松宮記念出走へは賞金加算が絶対条件となるが、冬場の洋芝混合馬場ならば重賞制覇にも手が届く可能性を秘める。1月のシルクロードSなど賞金を加算するチャンスは十分にありそうだ。
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