８番人気の低評価であったが、好内容の走りで２着に好走した。重賞実績馬が不在でメンバーレベル的には疑問ではあるが、スタートからゴールまで一貫した持続力戦でＦラップの変動が殆どない地力の問われるレースとなり、レースレベルは高いと言える。特にラスト４Ｆは全て12.0秒というラップで、結果的に内を回った馬が有利となり、勝ち馬と３着馬は内々で脚を溜めて坂上から脚を使っていたが、この馬は中団外々追走から４コーナーでも大外を回って追い上げ、ゴールまでしっかり脚を使って勝ち馬に迫っていた。瞬時の加速力に課題が残り、前走のように直線で不利を受ける事もあるが、それでも差のないレースを続けておりポテンシャルの高祖は確かである。休み明けを叩かれた中間は追い切りの動きが変わってきており、初コースを克服したレース内容も評価でき、今後の重賞でも上位争いに期待できそうだ。

近２走の敗戦で７番人気と評価を落としていたが、素晴らしい豪脚を発揮して重賞初制覇を飾った。デビューから1400ｍ戦で連勝し、３番人気に推された朝日ＦＳは正攻法の競馬で８着に敗れ、前走距離を1400ｍに戻したものの再度の正攻法の競馬で５着に敗れていた。今回は外枠＋スタート後手で直線までじっくり脚を溜めていたが、直線大外に持ち出されると先団を一気に捕えて勝利している。上り３Ｆは33.6秒で他馬を大きく上回り、２着～４着馬は終始先行していた馬で、４コーナー14番手から大外一気を決めた豪脚は大きなインパクトを与えた。近２走は人気に推されていた事とルメール騎手鞍上で先行策を取っていたが、今回のようにじっくり脚を溜める競馬で爆発力を発揮するタイプのようである。道中で力む面はまだ残り脚を溜められるかがポイントとなるが、ＮＨＫマイルでも同様な競馬が出来れば侮れない存在になりそうだ。

４着同着で皐月賞の出走権は逃してしまったが、好内容の走りを見せ今後に期待できそうだ。レースラップのラスト２Ｆが10.9-10.8秒と追い風ではあったが驚異的な超瞬発力戦で、圧勝したシックスペンスのポテンシャルの高さは素晴らしいものがあるが、内々を回った２・３着馬に対しこの馬は外々を折り合いを欠き気味に追走し、４コーナーでは大外から仕掛けている。直線も外に寄れるシーンがありながらゴール前で差を詰めており、コース取りの差が着順に影響したのは確かである。前走の１勝クラスでは直線で何度も前が壁になり、ゴール前100ｍ程しか追えなかったが、一気に差を詰めているように瞬時の加速力に優れた馬である。スローペースで距離延長戦の不利はカバーできたのは確かで、基本マイルまでの印象は強いが重賞でも十分通用するポテンシャルを秘めている。デビューから４戦でハイパフォーマンスを続けており、今後も人気薄での一発に期待していきたい１頭である。

７番人気の低評価であったが、紅一点の牝馬が４着に善戦した。芝の長距離実績馬が揃い天皇賞(春)へのステップレースとなり、テーオーロイヤルの強さが目立ったレースであったが、熟練の牡馬と対等に戦い能力の高さを見せていた。最内枠から中団でじっくり脚を溜め折り合いスムーズに追走していたが、勝負どころでやや先団に離され気味になり、鞍上が気合いを付けると想像以上に加速が早く、前の馬に接近しすぎて手綱を抑えるロスがあった。直線も前に壁が出来ていて仕掛けが遅れ、間を割ろうとしていたが差を詰めるまでが精一杯となってしまった。直線まで我慢していれば２着争いも可能だったと思え、非常に惜しいレースであった。３走前のステイヤーズＳでの２着後に長期休養を余儀なくされたが、復帰後の３戦で差のないレースを続けている。６歳牝馬で繁殖入りの可能性もあるが、現役続行なら2000ｍ～長距離戦まで守備範囲は広く、まだ活躍の場は十分にありそうだ。