トリッキーコースでのハンデ戦で大混戦となったが、安定感ある走りで３着に好走した。デビュー20戦のキャリアで掲示板を外したのは前々走の６着１回のみで、馬場・展開を問わず安定した末脚を発揮し初重賞挑戦となった今回も崩れ知らずの走りで少差の３着となった。今回はハンデ55キロの恩恵があり、上位人気に推される想定であったが、内が有利な馬場コンディションのなか15番枠が嫌われ６番人気となっていた。近走は後方待機策が板に付いていたが、前走同様М・デムーロ騎手は位置を取りに行く戦法で１コーナーで外に振られる事を覚悟して好位を目指し押して行った。好位の外を確保し折り合いも付いていたが、終始外々を回るロスが響き上位２頭とのコース取りの差が出た印象だが、直線もしっかりと末脚を伸ばし見せ場十分の走りを見せている。舞台を問わず安定した走りは凡走のないタイプで、相手強化の一戦でも相手なりに善戦するだろう。今後も馬券に入れておいて損のない馬である。

条件戦で連勝を飾り３歳春以来の重賞出走となったが、好枠と軽斤量が買われて１番人気に推されていた。結果的に３着に敗れてはいるが、好パフォーマンスを見せ今後に期待出来そうだ。デビューから素質が見込まれていたが、気性面の難しさが改善されず連続好走がない難しいタイプの馬であった。折り合い面に課題を残し、追われると重心が上ずる面もあって力を発揮できないでいたが、近２走では逃げて上り33秒台中盤をマークする完勝で連勝を飾っていた。今回は先手を主張した２騎を前に行かせ３番手からの競馬で際どい勝負に持ち込んでいる。前を行く２着馬を僅かに交わせず、最内を勝ち馬にすくわれる惜敗ではあったが、ラストまでしっかり伸び切り以前のモロさが完全に解消された印象である。追って味のあるタイプに成長し先手を奪わなくても好パフォーマンスを出せるようになり、これで３戦続けて好内容を続け気性的な問題もクリアーしているイメージである。賞金加算には至らず今後ローテーションは微妙となったが、確かなポテンシャルと成長力でまだ上を目指せる馬として注目したい。

距離延長が嫌われ６番人気の低評価であったが、数少ない２勝馬の実力を発揮し２着に好走した。1200ｍ戦は２勝２着１回と結果を残していたが、1600ｍ戦はデビュー戦の４着以来と距離延長が課題となっていた。しかしレースでは内枠が功を奏してしっかり折り合い、直線は大外から素晴らしい末脚を発揮し勝ち馬にクビ差まで詰め寄った。過去走では先行抜け出しが勝利パターンであったが、距離を意識して折り合いに専念し、後方に控える戦法で上り最速をマークするのは確かなポテンシャルがあってこそである。フェアリーＳ組はクラシックで好結果を残す馬が少ないが、今年のフェアリーＳは平均的な流れからラスト12.2-11.5-11.4秒とレースレベルが高く、桜花賞でも通用する可能性を秘めている。血統的に2000ｍ以上のレースは厳しそうだが、折り合いさえ付けばマイル戦で好走の期待は大きい。獲得賞金的にも桜花賞を目指すのは確実で、ＮＨＫマイルＣを含めた春のマイルＧⅠ戦で注目したい１頭である。

僅か１戦のキャリアながら圧倒的なパフォーマンスを披露し、無傷の連勝で重賞制覇を飾った。デビュー戦は２番手追走から上がり最速をマークする完勝であったが、今回は今後を見据えた中団待機策で挑んでいた。好スタートから川田騎手は馬群の中を徐々に下げ中団からレースを進める。３コーナー過ぎから馬を外に出し軽く促すと一気に差を詰め、４コーナーでは持ったままの手応えで先団を捕える位置まで上昇し、直線は１頭だけ馬場の真ん中から力強く突き抜け後続を完封する圧勝劇となった。前半から緩む事のないラップながらラスト３Ｆは12.0-12.2-11.9秒と、突き抜けてからさらに加速している。今年から日本での種牡馬生活が決定している米国血統のパレスマリス産駒で、持続力勝負で本領発揮と言える結果である。朝日杯ＦＳを制したジャンタルマンタルに続く産駒の重賞勝利で、今春の種付け時は大きな注目を集めそうだ。３年後のパレスマリス産駒の期待値を図る上でも、中距離路線への参戦でどのような結果を残すかジャンタルマンタルとともに注目していきたい。