長期休養明けで５番人気と評価を落としていたが、７歳秋になっても力の衰えは感じさせず３着に好走した。暑さに弱いタイプで昨年同様に夏場を休養に充てたが、暑さが続いた影響で実に７カ月ぶりの実戦復帰となっていた。中間は坂路のみの調整で良化途上の印象が強く、厩舎コメントでも馬体の張りが物足りず今回は地力でどこまでと弱気であったが、他馬より重い58キロを背負っての３着は地力の証明である。今回はベストの1200ｍ戦ではなく、フェブラリーＳで２着はあるものの距離も嫌われた評価落ちでもあった。外目の枠からのスタートで前に壁が作れず終始折り合いを欠く道中となり、外々を回りながら鞍上が必死に抑える姿は大敗も予感させていた。しかし直線に向くと大外から脚を伸ばし、突き抜ける勢いも感じさせた。さすがにゴール前は止まった印象で１・２着馬には突き放されたが３着争いを制し、まだまだダート短距離戦ではトップクラスの位置付けで問題ない馬である。次走は状態面の上積みに期待でき、距離短縮戦なら大きく狙ってみたい馬である。

デビュー戦に続くハイパフォーマンスを披露し、１番人気に応える圧勝で重賞初制覇を飾った。デビュー戦は３番枠から好スタートを切り、好位のインでじっくり脚を溜め、圧倒的な手応えで直線に向くと11.9-11.4秒と一気の加速で楽に抜け出し快勝していた。２戦目となった今回はキャリアは浅いながら好素材が揃っており、楽な相手ではなかったが初戦と全く同様の立ち回りから、直線は最内を突いて抜け出し11.9-11.2秒と一気の加速を再度見せている。内々で馬群に包まれても余裕たっぷりの追走で、やや折り合いに苦労していたシーンもありながら、直線に向いての一気の加速はキャリアの浅さを全く感じさせない。デビュー２連勝となり年末の朝日ＦＳを目標に据えそうだが、米国系の配合でパワーを備えており、２戦の走りからも急坂コースも全く問題ないと感じさせる。さらに相手強化となるが、デビュー戦での重めの馬体を徐々に絞っておりまだ上積みは可能で、主役候補になれる逸材である。デビューから２戦コンビを組む鮫島駿騎手はデビュー前からこの馬に惚れ込んでおり、人馬ともに初ＧⅠ制覇に力の入る一戦となりそうだ。

近走好内容の２着続きが評価され５番人気に推されたが、不安材料を克服しての２着は大きく評価したい。勝ち馬ブレイディヴェーグの強さと、鞍上のルメール騎手の上手さが目立った一戦であったが、この馬のパフォーマンスも高く評価したい。前々走のエプソムカップは先行してジャスティンカフェと0.2秒差の２着、前走の府中牝馬Ｓは差してディビーナにハナ差まで迫り２着と、素質馬が充実期に入った印象を持っていた。しかし今回はレース間隔が短い中での関西への輸送競馬が大きな課題となっていた。過去の好走は全て関東圏でのレースで、唯一関東圏外となった中京遠征では重馬場の影響もあったが12着に惨敗していた。２度目の遠征競馬と初めて背負う56キロの斤量＋初騎乗となる鞍上と不安材料は多くあり、ベストよりやや長い2200ｍの距離でもあったが、スタートから内々でじっくりと脚を溜め、直線はブレイディヴェーグの内から脚色劣ることなく食い下がっていた。内を回った馬が有利な流れで立ち回りの上手さを活かせたとも言えるが、多くの課題を克服しての２着は立派である。今後は舞台を問わず崩れる可能性が低く、悲願の重賞制覇は目の前に近付いている。

６番人気での５着と僅かに人気を上回った好走ではあるが、レース内容は見所があり今後に期待が持てる走りであったと評価したい。近２走は北海道で１・２着と着実な進歩を見せ、３歳時にクラシックに乗りかけた実力を発揮しつつあった。今回は外傷明けで３カ月ぶりの一戦となり、輸送もあって馬体を８キロ減らしての戦いとなった。中間は坂路のみの調整ながら休み明けでの馬体減はプラス材料とはならず、本調子を欠く雰囲気でもあった。レースではポツンと最後方を追走し、向こう正面で動く近２走と同様の戦法であったが、勢いが付いた地点で中団から勝ち馬と２着馬が同時に仕掛け、一気にスパート出来なかったのは痛かった。４コーナーでは先に動いた２頭のさらに外に出し、一旦は先頭に並んだがゴール前で脚が止まり５着に敗れてしまう。４コーナーで大外に出さず一旦息を入れていれば３着は確実にあったと思え、勝ちに行った走りが調整不足を露呈し踏ん張り切れなかったと言える。昨秋から好走と凡走を繰り返しているが、凡走は広いコースが殆どで小回りコースでは安定した走りを見せ、キレる脚はなくても長く脚を使うタイプでコーナースピードも活かせる小回りがベストは確かである。高速馬場では厳しい印象も時計のかかる秋～冬の洋芝混合馬場なら今後も重賞での好走に期待できる。