８番人気のクリーンエアーが素晴らしい末脚で初陣を飾ったが、４番人気ながら２着のナファロアも勝ち馬以上に高いポテンシャルを感じさせた。やや立ち遅れたスタートで道中は後方２番手を追走する。しっかり折り合っていたが、３コーナーから鞍上が軽く促すと一気に加速し、大外から先団に勢いよく接近した。直線入口では先頭集団に並びかけ、残り200ｍまでは持ったままの手応えであった。それでいてラップタイムは11.5-10.9秒と速くこの馬の加速力の凄さが光った。ラストはさすがに11.7秒と失速し勝ち馬の強襲に屈したが、３コーナー過ぎから速い脚を繰り出しており、仕掛けが早かった事が２着惜敗の原因と言える。次走ではこの反応の良さを十分に活かせる騎乗ができ、さらにパフォーマンスを上げての初勝利に期待できる。デビュー戦の内容は３連勝でニュージーランドトロフィーを制し、ＮＨＫマイルＣでも２番人気に推されたエエヤンと酷似しており、この馬も今後重賞路線まで確実に行ける馬と評価したい。

デビュー３連勝での重賞制覇とはならなかったが、ポテンシャルの高さは今回出走の各馬との比較で断トツと評価出来る走りであった。中山1800ｍコースで２戦２勝の成績を残し、今回は初の遠征競馬＋左回りに加え、挫跖の影響で５カ月の休み明けと不安材料が多かった。スタートから先行集団の馬群の真ん中で手応え良く追走し、かなり砂を被っていた印象だが怯む事なく４コーナーを向かえ、直線もやや狭くなるシーンはあったが、上り最速で唯一勝ち馬を猛追した。２番手から抜け出した勝ち馬が12.0-12.4秒でフィニッシュしており、この馬はさらに速い脚を使ってのクビ差惜敗であった。不安材料は抱えていたが、道中の走りや直線の脚から全てを払拭するパフォーマンスであったと言える。走破時計もデビューから3.6秒→2.4秒詰めており、３戦で６秒も短縮している。レース内容も３戦ともに素晴らしく、世代トップクラスの評価は妥当である。血統的には地味ではあるが芝向きの印象で芝挑戦も視野に入れて欲しい気もするが、今後も重賞路線で上位を大きく賑わす存在になりそうだ。

勢いのある４・５歳馬が上位人気に推され、10番人気の低評価に甘んじていたが、好走条件にマッチする馬場状態を味方に３着に好走した。前日からの雨の影響で不良馬場となり、スピードが活きるコンディションがこの馬の激走を生んだと言える。勝ち馬の強烈な決め脚と、２着馬の絶妙なコース取りに屈したが、中団から早い仕掛けで大外から先団に取り付き、ラストまでしっかり伸びて３着争いを制した。初重賞挑戦で近２走のオープン特別でも大敗を喫しているが、この馬の好走ポイントは馬場にあるのは間違いない。良馬場での勝利もあるが、３勝クラス以降は良馬場で大敗、重馬場で激走を繰り返している。過去走で良馬場での３着内率は30％と低いが、やや重以上では11走して３着内が10回と90％以上の確率で馬券になっている実績を持つ。特に重馬場か不良馬場では６走して４勝３着２回と崩れる事がなく、馬場コンディションが大きな好走ポイントとなっている。重賞３着の実績で次走はある程度人気に推されるであろうが、良馬場なら評価を落とし、凡走後の重馬場や不良馬場で勝負するのが面白い。今後も馬場コンディションを把握して評価する事をお勧めする。