相手関係には恵まれたが、前走未勝利勝ちの舞台で再度の好パフォーマンスを見せ連勝した。昨年12月のデビュー戦は12着に敗れたが、２戦目の東京2400ｍで後方から直線で馬群を捌き上り最速で２着に好走し、前走の同舞台で先行しながら上り最速をマークする４馬身差の圧勝で未勝利を卒業していた。今回は格上げ戦となったが同舞台での適正が高く３馬身差の楽勝であった。以前はスタートに課題があったが、今回は好スタートを決め２番手を難なく追走し、直線早めに先頭に立つと軽く促されて上り最速と能力の違いを見せ付けた内容であった。父・グレーターロンドンというとマイル志向が強い印象があるが、母父にメジロマックイーンを持ちスタミナ面が強化されている。残り６Ｆから徐々にペースアップできる持続力＋瞬発力を持ち、菊花賞を目指せる馬として評価したい。

大敗続きで７番人気の評価であったが、53キロのハンデを味方に一変した走りで逃げ切った。５歳牝馬となり1200ｍ～1600ｍ戦で芝・ダートを問わず多くのレースに出走しているが、ダート戦での好走は軽い馬場状態に限られ、近走は芝の重馬場とダートの良馬場と適正外のレースが続き大敗していた。今回は過去１度の経験で上り最速をマークした芝良馬場の1200ｍと待望の舞台で、スタートからハイラップを刻んで後続を寄せ付けなかった。前半から10.7-11.3秒と速い流れであったが、直線に向くと11.6-11.4秒と再加速し、1200ｍ戦では決定的な２馬身差の快勝であった。初の北海道滞在競馬で＋16キロの馬体重もプラスとなったのは確かだが、翌日の３勝クラスの勝ち時計を0.5秒上回っている点でも好走条件が明白になったと言える。クラスが上がっても良馬場の1200ｍ戦なら通用する可能性が高く注目したい馬である。

１勝馬の身での重賞挑戦と分が悪く、課題も多いなかで上り最速の４着は今後に期待できる激走であった。過去６戦１勝２着１回と重賞メンバーに入ると実績的に大きく劣る存在であった。さらに６戦全てが1800ｍ戦で、関東遠征も初と不安材料の多い点でも11番人気の評価は妥当と言えた。今回もスタートで後手を踏み、芝の部分で置かれる厳しいレース運びであったが、直線では大外から猛追し３着馬ブライアンセンスにクビ差まで詰め寄る脚を見せていた。ダート1600ｍ戦で次位を0.6秒上回る上り最速は、ポテンシャルでは差がないと評価できるものである。まだスタートが安定せず、レースぶりも粗削りで能力を出し切れない面は残るが、今回の走りで能力の片鱗を見せたと言える。スムーズなレースさえできれば、１勝クラスでは確勝級の評価で良さそうだ。

実績面では断然のメンバー構成のＧⅢでの２着は物足りないと思われがちだが、今回は不安材料の多いレースで危険な人気馬に成り得る戦いであった。昨年のマーメイドＳの覇者で、その後は京都大賞典３着やイクイノックス、ドウデュースといった牡馬との戦いでも差のないレースをしている実力馬である。今回は上り馬ビッグリボンが参戦したものの相手弱化で、力量的には断然の存在で連覇の期待も大きかった。しかし今回は五十嵐調教師の定年引退で、西園厩舎に転厩しての初戦であった。鞍上は引き続き和田竜騎手に落ち着いたが、中間の調整内容は以前と大きく異なり、最終追い切りを軽めにセーブしていた内容から、強めに負荷をかけ好時計をマークする内容に変わっていた。ハンデも56キロと重く、厳しい戦いも予感させていたが上り最速での２着なら力を示したと言える。叩いて良くなるタイプでもあり、精神的にも上積みが見込める次走はさらに上昇する走りが見れそうだ。